地金づくり風景

宮良加工所

2012年05月03日 11:59

GW初日に、まさかの梅雨入り宣言となった石垣島。
その後はさほど降らず、天気予報本日も大ハズレ!という毎日。暑い季節がやってきましたよ~。窓が無く、モーターで動く機械や鋳造装置のある当加工所、家族もお客様もいない時に孤独に熱中症で倒れるのだけは避けたい!という緊張感の漂う季節となりました。(エアコンを効かせる度胸・甲斐性は無し)

そんな中、GWスペシャルの今日はあえて火を使う地金作り風景レポにチャレンジします。(ネタ不足?)
火を安定させたいので扇風機も止めて行うこの作業。
モアーン。
と熱気・臭気を放つ自分に、撮影協力をお願いした嫁がイヤーな顔をしますが、構わず参りましょう!

えー、本日は純銀のササブキを溶かしてシルバー925を作ります。
小さなコロンとしたササブキは、これはこれで味のある風貌ですね。

奥様、ここで材料計量です。純銀に7.5%の銅を混ぜて純度92.5%にする訳ですが、その比率をもうちょっと簡単にすると3:37。なので、まずササブキを37g
.
秤が汚いよアンタ!
という突っ込みは聞こえないフリをして、これに電気銅という純度の高い銅を3g足して、40gにします。この電気銅、三線ペンダントのスタンド(ブログのヘッダー写真に写っている奴です)の材料としても役立つ優れもの。

地金作りとは、簡単に言えばこれら材料を溶かして型に入れる作業です。

あれ?こういう記事以前も無かった?
と思った方、長い間読んで下さってどうもありがとうございます。心よりお礼申し上げます。デジャブーですヨ、と言いたい所ですが、その通りです。
細かいデティールがすこし違いますので、同じじゃん!という声はどうぞ心の中にしまっておいて下さい。

こちらが、型となるアケガタ。縦型と横型がありますが、自分は縦型派でやんす。
大きさは調節できるようになってますが、1、5cmが自分の作業しやすいベストな長さですね。

作業机周りの散らかりようには、良い子は突っ込まないように!最近物失くしてませんから!(汗)

アケガタを、少し傾けて近くにセットしたところで、バーナーで温め作業開始.


最初は銀だけを温めていきます。純銀はなかなか液状になりにくいので、ゆっくりじっくり、さらにモワーンと汗をかきながら温めていきます。ハテ数分後・・・

色の感じとかで大体状態がつかめます。これくらいに溶けたら、銅を加えます。
熱で銀の溶けていくこの感じ、アレに似ています。


I'll be ba---------ck! (映画「ターミネーター2」より、シュワルツネガの最後の決め台詞)

くー、我ながら古いですね。
さて、銅も溶けトロトロになった皿の中、さらにカーボン棒でかき混ぜて確認したら、いざアケガタ!

自分が全ての仕事の中で好きなのは、この溶けた金属を流し込む瞬間なのですよ。同業者の方の意見も是非聞いてみたいものです。

流し込んだものを水でジュー、と冷やして完成。チューイングガム状のシルバー925でございます。


写真数が多い割には、どうレポしてもやっぱり地味な作業ですなー。
華美なアクセサリーの世界ですが、製作風景は殆どがこんな地味作業です。
金属によって融点が違いますが、融点の高いプラチナなんぞは、肉眼で見ると危険な為ゴーグルのような眼鏡をかけて行い、なかなかドラマチックに行われる、と自分では思っているので、今度はなんとか、プラチナの地金づくり撮影にもチャレンジしたいもんです。

(お知らせ)GWは5月6日まで、申し訳ありませんが休日とさせて頂きます。在宅の時間も多いので、事前にご連絡頂けましたら柔軟に対応したいと思います。よろしくお願い致します。
















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