叩いたり、叩かなかったり

宮良加工所

2012年05月27日 00:47

↓前回の記事で、家族の健康を祈りつつ・・・と〆ましたが、その時点で次女の体調が怪しかったのでリアルに祈っていましたが・・。結果、家族の健康とそれに直結する仕事状況、スリリングな週でした。

長女が真夜中に腹痛い~!と泣き出し久々に八重山病院の夜間診療にかけこんだり、そんな自分も体調不良で長女と仲良く並んでオエ~となったり、次女が伝染病の疑いで保育園から帰されてきたり(結局あせもと夏風邪でしたが)。

ハア~正直作ってナンボの加工・製造業なので、作れない時間は辛いですね。
勝手に梅雨終了!と見ている暑い日々、体調管理に気をつけないとです。納品もギリギリではありましたが期日の決まっていた分は無事終了しそうでホッとしています。

さて、先日ネットでジーファーを検索しているとこんなものを見つけました。

アルミ製ジーファー型耳かき・850円ナリ。
テンペスト劇場版が公開された時のグッズのようです。
耳かきとしてはちょいとお高めですが・・・こういうアイディア好きです。
そう来るなら自分は、耳かき型ジーファーを作ってやる!って・・もう作ってるか!

してその時、ジーファーの記事に自分の商品のリンクを張ってくださっている方がいるのを知りました。割と最近なので、ひょっとしてそちらを見てジーファーの注文を下さった方や、検討して下さっている方もいるかと思います。読んでみて、製造方法を誤解される方がいたら困るな、と小心物の自分は心配になったので、以前も書きましたが、今日またここに書かせて下さい。
☆難しい用語の親切な解説☆  
鍛造(たんぞう)・・・日本刀を作る時のように、叩いてなまして作る方法
鋳造(ちゅうぞう)・・・キャストともいい、型に流し込んで作る方法


男性用のウシザシの製作方法

(花付の方):かんざし部分は鍛造です。花の部分は鋳造です。

(耳かきの形状の方):鍛造です。

女性用ジーファーの製作方法

(3寸3分):鋳造です。加工硬化を図る為竿部分を少し打ち出しています。

(4寸5分):鋳造です。2つに分けて鋳造してトモ付け(同じ品位のロウ材で溶接すること)の後、加工硬化を図る為竿部分を打ち出しています。

(6寸):スプーン状の部分は鋳造です。棹部分は鍛造です。トモ付けの後、加工硬化を図る為溶接部を打ち出しています。


簪の様な細長い形状を鋳造でつくると折れやすいのでは?と思う方もいると思いますが、いまのところ上記の製作方法でクレームはありません。
鋳造という方法は、大量生産体制という意味では彫金・鍛金と比べてあまり良いイメージ無いかもしれませんが、決して決してそんなことはありません。ここ宮良加工所の小さな鋳造機と小さな予算ではそうそう大量生産できるはずも無く、以外と作業の多い鋳造過程や仕上げ作業など全部自分がやっていますので、ホイホイ~と簡単に量産している訳でもありません。
(ちなみに、三線ペンダントやギターペンダントは鋳造で作ったパーツをロー付けで組み合わせて製作します。)

この方法が良い、というのは作り手さんのそれぞれの考え方もあると思います。
自分は、今まで習ってきたジュエリーメイキングの手法も用いています。
お客様には、是非知って納得した上で購入して頂きたいので・・。
製法について質問等ある方、お気軽にお問い合わせ下さい。


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