メモリアルジュエリー製作記(後編)
前回の続きです。
K18イエローゴールドで製作する、”約4cmの長さのミニ茶筒”を作ろうと、直径1cm足らずのパイプを作ってふたと本体の横二つに切り分け、天面と底面をそれぞれロー付けところまでが前回でした。
ふた部分が本体にカパッと閉まるように、本体にスリーブをつけます。本体より板の厚み分薄いK18の筒を、本体上部にロウ付けしていきます。
本来、一人でロー付けも写真撮影も行うとなると、両手のみならず足?も動員しなければいけませんが、そんな時の強い味方が写真にあるピンセットを固定した器具、その名も「第3の手」です。これのお陰で極小ロー付けと呼ばれる細かいチェーンのつなぎなども、場所をキチッと狙って行うことができるのです。
さて、蓋も仕上がりました。お客様からは、滅多に開け閉めしない予定なので、簡単には開かないようにとのオーダーでしたから、ある程度力をかけないと動かないよう、サイズは調整しました。
ちなみにこのような「茶筒」状の加工をインロー加工とかインロー合わせと言っております。
さて、ペンダントになるようチェーンの通るバチカンを付け、仕上げで形や輝きを整えて完成です。
蓋を開けたところ。
さて、中に入れるものとは。
製作を依頼されたお客様は、今年にお母様を亡くされたのだそうです。
何か、亡くなったお母様を感じられるものをいつも身につけていられないか・・・と考えるようになり、遺灰のほんの一部でも入れられるペンダントの製作依頼に見えたのです。
実際、ペンダントの中には布で小さな袋を作り、その中に遺灰を入れ、蓋を閉めました。
金素材でこのような形状の作品を作ったのは久しぶりでしたが・・・。
お客様が喜んで下さり、ホッとしました。
お客様、有難うございました。
大事な思い出を残すお手伝いが出来たこと、嬉しく思います。
人がアクセサリーを作りたいと考える時。お子さんの誕生、結婚などお祝いの場合があるように、亡くなられた近しい誰かを偲んで、いつも身近に感じられるものを身に着けたい、という場合も多いですよ。漠然と形にしたいとは思っていても、相談しにくいなあ・・と考えている方いらっしゃいましたら、オーダーご相談お気軽にどぞどぞ。
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