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2011年08月10日

島人?やまとんちゅー?

「どちらの宮良さん?」
島でよく聞かれる質問です。
この場合、出身字(あざ)を聞かれている訳ですね。

うぐっ、と一瞬言葉に詰まります。

何故なら、自分は石垣出身の父(本当は台湾)と新城出身の母(詳細は知りません)が内地に居を求めた、公害の町と言われた神奈川県川崎市にて生まれた、いわゆる沖縄2世だす。八重山出身の両親を斜にみながら八重山の習慣や文化を全く知らないまま大人になりました。今もよくわかりません。すいません。
見た目は100%島人ですが、喋るとないちゃーという、どうにも変なー立ち位置ですな。
26歳の時に単身神奈川からやって来て早16年目。祖父母の家に居候を決め込み、祖父母は亡くなりましたがずっと石垣に張り付いています。
両親は川崎在住なので、川崎から石垣まで母手製のサーターアンダギーが送られてくるという、ちょっとイレギュラーなことが我が家ではおこります~。

さて、幼少時よりたまに両親に連れられて訪れていた石垣島。
飛行機(祖父や父はゼット機といってました)乗れて嬉しい気持ちの先にある、外国のような場所。見たこともない駄菓子。自らのルーツとして意識はしていたのでしょう。
彫金を学んだ専門学校の卒業制作で、銅版を打ってアンガマ面っぽいレリーフを作りました。
そ~と~昔の話で、写真が残っておりません、すみません。
アンガマ面とは何かわからない県外の方、写真のような木製のおじいさんとおばあさんのお面と思って下され。
旧盆の間は、お面をつけたアンガマ達が踊り子を連れてあちこちを訪れます。
島人?やまとんちゅー?
その作品は、卒業して勤めたジュエリー工房に飾っておいてもらったら常連のお客様の目にとまり、
”いくらなら売る?”と聞かれ、
”わかりません”と答えると
”じゃあ30万で!”とポンと小切手を切って下さって、すごーくびっくりしました。いやマジびっくりしました。目玉ポーン!
バブル弾けた頃とはいえ、今よりずーっとケタ違いに景気の良い時代でしたからねー(遠い目)。
そのお金で生まれて初めて自分の車を買いました。(中古のコロナクーペ、時代っすねー)
勤めていたお店がとても雰囲気があり、そのレリーフもいい感じでみえたのでしょう。とはいえ、初めて自分の作品が売れてお金を手にした一歩でした。

買って下さったお客様は、文化人、粋人として知る人ぞ知った方で、数年前に訃報をネットニュースでお見かけしました。
石垣から、ご冥福をお祈りしました。
お盆が近くなると、思い出します。

・・・・ヤバイ。お墓掃除行かんと・・。


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Posted by 宮良加工所 at 13:59│Comments(0)日常
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